2013年6月20日木曜日

チョコレイト・ディスコ NO.1

バレンタインの季節はとっくに過ぎましたが
Perfumeが"Perfume Global Site Project"面白い事をしています。


このページ、Perfumeの3人さんの3Dのスキャンニングデータを公開
無償でDLさせてくれます。
Perfumeさんらしい、面白い企画だと思います。


なかなか無償で公開される3Dデータが無いですし
光造形含む3Dプリンターの仕組みを解って頂くには
ちょうど良い素材だと思ったのでこれで簡単に説明させて頂こうと思います。

と、いうわけで早速DLしてみたところ・・・

普段使った事のない拡張子"OBJ"なるものがあります。
ググってみると、弊社が加工に使う拡張子 " stl " に変換出来るソフトを
通せば使い物になりそうです。
そこで、"ヒスイ"なるものがあったので使ってみました。


簡単に取り込めました、直感的に扱えるソフトですね。
後ろ姿ですがどう見てもあ~ちゃんです、本当にありがとうございました。
そして、これまた簡単にSTLを書き出せました。
OBJファイルがどれぐらい使用されているのか、わかりませんが便利ですこのソフト。
で、うちのソフトでみたところ・・・
人型のデータで容量が500KBぐらいだったので予想してたのですが


かなりデータが粗いです。
あ~ちゃんを中華鍋で2・3発どついたみたいな顔になってしまってます。

"stl"データは、"曲面に三角形のパッチを貼って形を表しましょう"的なもので
三角形の一辺の長さをどうするかでデータの「質」が決まります。
例えば、下の左側の円柱に三角形のパッチを貼りますと
右側の様になります。


元が同じこのデータでも設定を粗いのと細かいのとで出力すると

一目瞭然だと思いますが、左側は面取りした大根みたいですし
右側は滑らかと言える面だと思います。
容量は左側が39KB 右側が174KB
こんな円柱でさえ、4倍以上のデータの差があります。
同じ形状なら容量の大きい方が綺麗に仕上がります。
で、あーちゃんのデータは人間の形なのにわずか500KB
円柱でさえ174KBあるのに。
3Dプリントはデータが全てです。
「データの質をどうするか?」はどこまで3Dプリンタが普及するかに
大きく関わってくるポイントだと思います。
しかし、今回のは3人さんの雰囲気を粗いながらも上手く出てると思います。


「Z=680もあるやん!」さすがにこれはワークサイズからはみ出るし
社長に見つかると叱られること必至です。
叱られないぐらいの大きさにリスケールし全高を100mmぐらいにしました。
あとは、3Dプリント(弊社では光造形)する為の加工データを作っていきます。
加工ワークにモデルを直接つくると、はずす時に破損するので
加工ワークとモデルの間に「足場」をつけてやります。
我々はこれを"サポート"と呼んでいます。


今回は足の方からモデリングしていきますので最初はハイヒールです。
ハイヒールの下の黄色の部分が"サポート"です。
黄色の部分ごと加工ワークからはずして
その部分の部分は手作業で除去して、必要な形状だけにします。
これを各箇所に割り当てていきますと全体ではこんな感じです。


スカートや顎の下にもがっつり入ってますが
下から継続していない部分は液体の中で加工するため
その部分を描画すると流れてしまうので固定しとく必要があります。
(船を浮かべておくと流されるので、碇を海底までおろすみたいな感じです。)
そのため、下から継続していない形状には全て上と同様のサポートをつけます。
これを、あ~ちゃん、のっち、かしゆかぞれぞれ同じ作業をしますと



手からビームを出しながら飛行しているジオングみたいですが
参考画像:「あんなの飾りです!偉い人にはそれが判らんのです!」

これが加工のイメージとなります。


続きは次回とさせて頂きます。
次回は実加工したものを載せてみる予定です!
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